BODY関係を仕上げてはや数年、店内に放置中のHONDA CL50のエンジンを4MINIオタクの知人に組んで貰いました。バイクを入手した数年前に入手した海外製の怪しげなボアアップkit組込です。以下はそのレポートです。
ZACKさんに預かったエンジンは、CL50に搭載の12V・4速リターンマニュアルミッションのエンジンです。当然排気量は49ccです。このエンジンに中国製の72ccシリンダーキットとそれに対応する、俗に言うビックバルブヘッドを組み込みます。このキットは中国で生産されているJH70というバイクの補修部品みたいですね。カブやモンキーのエンジンと互換性が有るようです。

思いっきり中華な箱ですが作りはまあまあのような気がします(あくまで気がするのみ)。カムの形状はCL50やモンキーの物とは違いますね。カム以外(カムスプロケも含む)は国内物のホンダエンジンにも使えそうです。

スキッシュエリア込みの燃焼室のサイズは47φ位です。俗に言うDAX70ヘッドのサイズですね。ピストン・シリンダーとセットで7000円弱なら十分の仕上げでしょう。


しかしかかし、バルブをバラして細かく見ていくとバルブシートとの当たりがいまいち・・・な感じ。 シートリングかバルブフェイスの角度か、どちらかの(もしかしたらどちらも?)精度が甘い様な気がします。とりあえず擦り合わせします。

最近は手抜き作業で、ドリルドライバーにフェールホース挿してバルブと連結して一気にやってます。4miniとか小排気量エンジンのバルブすり合わせやったことある方はお分かり頂けると思いますが、昔から使われているタコ棒だとバルブが小さ過ぎてくっ付かないんですよね。特に付かないEX側。
ピストンは72ccなんで47φですね。ちなみ純正エンジンのストロークは41.4mmです。ピストンにはそれなりにバリが有るのでスカート部分メインに軽く面取りしました。個人的にこういう作業は嫌いじゃありません。むしろ好きかも (笑)

このkit、基本的な作りは悪くないですよ。この値段で今も販売されているなら私も欲しいです。優しく面取りしていきます。

精密ヤスリでカドを落として、スポンジヤスリで仕上げます。

折らない様にリング入れてピストン完了。ちなみにリングは文字の刻印が有る方を(たまに無いのもあるけど・・・)上にします。4miniの場合、セカンドリングが黒系の色の場合が多いです。素材の問題でしょうね。他のエンジンは知らないけど。
純正エンジンの腰上をバラして組付けの準備に入ります。1本スタットボルトが錆びてますね。この横型と言われるエンジンは、この場所のサビは多少は御約束なんですがこれはかなり酷いですね。放置状態が長かったせいかな。交換用のボルトの持ち合わせが無かったので泣きながら綺麗にしました。

ステンのノックピンも貰いサビ状態。

ノックピンは一度抜いて磨き、スタッドは狭い中ひたすら磨きました。

クリップ飛ばさない様に気を付けてピストン装着。

爪が割れそうになりながら、根性でリング縮めてシリンダー挿入。

純正よりトップが盛り上がってますね。若干のハイコンプ化。

最後はヘッド乗せて、バルタイ確認(チェーンのコマずれ確認)やタペット調整して完了です。最後にヘッドサイドカバーやフライホイールカバー等を装着して作業終了です。

ZACKさんで車体に搭載後、無事に始動することを祈って納品に行きます。